本、映画、ひと、音楽、旅のことなど
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『グアテマラの弟』(片桐はいり著)

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新年2冊目は『沈黙』から一転、

『グアテマラの弟』で大笑い。

ブックカバーはグアテマラの織物(イロイトー作)。

 

一年の疲れが出たせいか、

父の四十九日を控えているせいか、

『沈黙』があまりにつらかったせいか 笑

とにかく正月休みは気力が湧かず、悶々。

ぐったり過ごしていた。

 

が、録画しておいたNHKの新春ドラマ

「富士ファミリー」(木皿泉脚本)を見て気持ち上向く。

やっぱり笑う、っていい!

これは、片桐はいりさんあってのドラマだね〜

 

はいりさんといえば、グアテマラに永住する弟のことを

綴った『グアテマラの弟』。

イロイトーさんたちの展示会も控えていることもあり、

早速読んでみた。

 

軽快な筆運び。率直で感じたまま、ウラオモテのない生き方、

いいなぁ。

グアテマラに旅し暮らした珍妙な体験を楽しみつつ、

比較文化としても読める。

素直に楽しい。

 

次は、『わたしのマトカ』にしよう。

 

 

2017年は『沈黙』(遠藤周作著)から

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新年最初の一冊。

1/21から映画の公開も控えていることもあり、

遠藤周作の『沈黙』を開く。

 

江戸時代、厳しい弾圧によってキリスト教を棄教せよと

迫られた宣教師や信者たち。

壮絶な拷問シーンがありありと描かれ、終始辛い。

信仰とは何か、人間とは何か…

殉教、棄教、転ぶ…

自分ならどうするか…

葛藤に次ぐ葛藤、ともに苦しむ。

けれども、読み終えて、すがすがしい気持ちになってしまった。

なぜか…

どんな拷問を受けようとも信念を貫き、

信仰を守ろうとする宣教師や信者たちの

尊厳にあふれた言動や行いのせいか、なぜなのか…

 

読まねば、と思いながら手をつけられなかったけれど、

映画公開がきっかけとなった。

映像化、楽しみだなぁ。

 

 

 

 

父の生きる

 

いったいいつまで…

先の見えない介護生活でしたが、

家族の支えはもちろん、友人、知人、お客さま…

たくさんの方のご助言や本の力を借りて、

乗り越えることができた気がしています。

気持ちが張り詰めているとき、

思わず口走った泣き言を受け止めてくれた方たち。

心から感謝しています。

 

ひとりで悩まない、ということ。

同じ体験をされている方にとって、

何か自分でも役に立つことがあればよいのですが。

 

 

中村哲氏とアフガニスタン

つい先日放送されたETV特集「武器ではなく 命の水を〜

医師・中村哲とアフガニスタン」が、もうyoutubeにアップされていた。

 

 

中村哲氏の偉大な功績は多くの人が知るところ。

紛争、干ばつ、難民問題…とアフガニスタンを次々に襲う惨禍。

そんな国でなぜ、と思わずにいられない。

氏が語る動機は、「目の前の困っている人を見捨てるわけにはいかない」

ととても明解。

 

素晴らしいと思うのは、どんなに立派な水路を作っても
治水は、彼らの手で管理できなくては意味がないと

何百年も先のことを考え、アフガニスタンの市井の人々と

常に共に行動する点である。
国や政治の力を借りず、長い年月をかけ、市井の人々とともに築き上げた

功績であることに心動かされる。

 

番組の最後で述べた氏の言葉がとても新鮮だった。

 

「これは平和活動ではない、医療の延長なんです。医療の延長ということは

どれだけの人間が助かるかということ。結果として我々の地域には、争い事が

少ない、治安がいい、麻薬が少ない、ということが言える。これが「平和への

一つの道である」と主張したことは少ないと思う。ただ、戦さをしている暇はない、

戦さをするとこういう状態はますます悪くなる。結果として得られた平和で

あって、平和を目的にわれわれはしているわけではない」

 

 

 

番組を見て、『天、共にあり アフガニスタン三十年の闘い』を
読みたいと思っていたら、ウォーキング途中の古本屋さんでばったり。

 

この本の冒頭には幼少時、数年間暮らした若松のことに触れ、
弱者は率先してかばうべきこと、職業に貴賤はないこと、

どんな小さな生き物の命も尊ぶべきことなど、

祖母マン(火野葦平の母)の説教が自分の倫理観に

根ざしていることなどが綴られている。

 

 

youtubeでのこちらの記者会見も興味深し。

 

 

最後に「照一隅」という伝教大師の言葉に触れている。

 

置かれた立場で全力を尽くす。。。

心にとどめておきたい。

 

『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳)


久しぶりのカズオ・イシグロ。

 

6世紀ごろの英国、アーサー王伝説を下敷きにしているという。

何の予備知識もなく読んだが、支障なく十分に楽しめた。

知っていればもっと楽しめたのかもしれない。

 

記憶と忘却、繰り返される争い、慈しみと愛…

普遍的なテーマのもと、

あれはいったいどういう意味だったのか…

ちりばめられた暗喩や謎にまんまとはまり、

知らず知らず物語に引き込まれていく。

いつものごとく、解釈は読み手にまかされる。

そんなワクワクとは反対に、

読後はいつものごとく、切ない気持ちにさせられる。

 

仕掛けられた罠にはまりたくてイシグロを読むのかもしれない。

 

 

読む日々。

一日の終わり、スマホのバッテリー残が50%以上になってきた。

どことなく調子よい。

 

 

語り継がねばならないこと

古本アクスで真っ赤なカバーに惹かれ手にした本。

『言いたいことがありすぎて』(丸木俊著 筑摩書房)。

 

ひろしま・長崎・アウシュビッツ・南京・水俣・沖縄を

夫・丸木位里(1901-1995年)さんとの共同製作で描いた

俊(1912-2000年)さん。

日の丸・原発・放射能・環境汚染・・・

今を生きる人たちへの渾身のメッセージが語られている。

 

  (以下、抜粋)

  恐ろしいのは狢舅尊沖瓩任后

  天皇を中心にした「日の丸・君が代」の教育は、差別と重なって恐ろしい

  結果を生むということを知りました。こういう心がわたしたちの胸の中

  にもひそんでいるのでしょうか。

  

  戦争というものを簡単に考えてはいけないのです。

  沖縄の人を日本軍が殺す、沖縄住民の食べ物を奪う、沖縄で起こったよう

  なことが、戦争の名のものとで実際になされています。日本が負けた、

  アメリカが勝った、といったそういうことではない、そのなかで起こった、

  もっと細かい、いや、もっと大切な、いや一番大事なことがかくされて

  きていたのです。そのことを知り、深く掘りさげて考えていかなければ

  なりません。

 


昭和30年代の女性たちの新聞投稿欄「紅皿」集

『戦争とおはぎとグリンピース』(西日本新聞社)。

 

女たちの戦争体験、家族や愛する人を思う気持ちが素直に綴られ、

静かに胸を打つ。

平穏な日常を奪った戦争。戦争は戦場にだけあるのではない。

 

 

以下、平成28年長崎平和宣言より

  …

  若い世代の皆さん、あなたたちが当たり前と感じる日常、例えば、

 お母さんの優しい手、お父さんの温かいまなざし、友だちとの会話、

 好きな人の笑顔…。そのすべてを奪い去ってしまうのが戦争です。

  戦争体験、被爆者の体験に、ぜひ一度耳を傾けてみてください。

 つらい経験を語ることは苦しいことです。それでも語ってくれるのは、

 未来の人たちを守りたいからだということを知ってください。

 

 

戦争体験のない自分だが、先人たちの言葉から

語り継がねばならないことの多さ、重大さは伝わってくる。

怖いから、つらいからと目を伏せ、耳を塞ぎ、

心を閉ざしてしまってはいけない。

 

戦争に正義はない。

正義のために戦争を強いられるのは、まっぴらゴメンである。

 

宴の後で

牧野映像美術館&『僕は、太陽をのむ』出版祝賀会、無事終了。

情熱と時間をかけて培ってきた画家牧野さんの足跡と人物交友録。

今年10周年となる「雲のうえ」にまつわるエピソードが、
当時の担当者Kさんから明かされたり、
恩師や親友、日田ヤブクグリの方々…
たくさんの方が祝辞を述べられた。
牧野さんへの暖かなメッセージは、どれも
感動的だった。

たった一日の出来事だったとは思えない。


今年初めから準備を進めていたから、今は感無量。
2転3転あり、なにより大変だったのは、いくえ氏だけど。
こんな風に時は過ぎてゆくのだ、と。
まだ道は続く。


2次会の新旦過ハルマヤから丸和前ラーメン、ピアチェーレ…
宴は続き、牧野さんと別れた後も、いったい何軒ハシゴしただろうか、
思いだせず。


進行役でお世話になった西日本新聞社出版部の末崎さん。


遠方から来られたゲストの方やお久しぶりの方々と
雲のうえ談義やら、本や出版談義やら話は尽きず。



古本ライター岡崎武志さんにお会いできたのは、嬉しかった。



イラストもお上手なのである。



すべて終わったわけではない。
会計など残務処理、頭いたし…

ETV特集「生き抜くという旗印」

『日付けの大きいカレンダー』(岩崎航著、ナナロク社)

若松英輔さんの『悲しみの秘儀』を読んで知った五行歌の詩人、岩崎航さん。

最近もっぱら、彼の詩やエッセイをめくり、録画しておいた
ETV特集「生き抜くという旗印〜詩人岩崎航の日々」を見ては、
また詠むという日々。


言葉、とは…
生き抜く、とは…
彼の詩を通して、答えのない答えを探す。


なぜ、そうも惹かれるのか。

誰か一人の人間として、生きる苦しみの傍に、
その苦しみに寄り添える人になりたい…
そう語る岩崎さん。
今の自分に、一番響く言葉。
また救われた。



「自鳴鐘の折々展 山福印刷の仕事」へ


ナツメ書店で今日からはじまった「自鳴鐘の折々展 山福印刷の仕事」に

足を運ぶ。



若松の山福印刷、故山福康政さんの手がけた

「自鳴鐘同人会カレンダー」が発端となり、開催されたこの展示。



康政さんの原画(なんとカラー!)、裏山書房の出版物、

装丁、挿絵の仕事や当時の新聞記事など盛りだくさん。

胸ときめく。



どれも「庶民」が見える仕事。



描き、書き記し、つくる仕事に費やした時間はいかほどか。

絵と言葉、デザイン…表現の豊かさにも圧倒さる。



『ふろく 昭和庶民絵草紙』(自費出版バージョンもあり!)

『ふらふら絵草紙 風の道づれ』など

かの時代の庶民の営み、暮らしが垣間見える書物は、

若松、北九州を知る歴史的価値も高いと思われる。







モビールいくえ氏の作品が揺れるナツメ書店。



ファンとして、ありがたい機会。

また立ち寄り、今度は俳句にも注目したい。



「自鳴鐘の折々展」は市内2か所で開かれる。


6/1-14 山福印刷の仕事(ナツメ書店)

6/15-27 サークル場としての古書店(古本や檸檬)



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2011年「山福康政展in古書城田ガラスケース2分の1」も

興味深いものだった  

本読む日々


昨日、一箱古本市「第8回とほほん市」に出店。
年2回、もう7回目の出店。

何を並べようかと迷いつつも準備する前夜は、一番楽しい時間。

最近特に本に救われているなぁ、という気持ちが強いせいか、
おのずと贈り物にしたらいいんじゃないかなぁ、
という本をイメージして選んだような。
内容と共に装丁も美しく、ずっと手元に置いておきたい、
そんな本もいつになく多かった気がしている。

ほとんど読んだ本なので、手に取る方についつい話しかけてしまう。

たくさんの方と本の会話を一方的に(笑)楽しんだ一日。

とほほん市、次回、今秋開催の予定。
読む日々があると思うと、わくわくしてしまう。