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『楽園』(夜釣十六著)

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知人に薦められて、久しぶりに小説を読むことに。

32回太宰治賞の受賞作だという。

 

筑摩書房と三鷹市が共同主催する太宰治賞は、かつては吉村昭氏、

宮尾登美子氏、宮本輝氏を輩出したという小説の新人賞。

期待高まる。

 

『楽園』(夜釣十六著)。

消えゆく戦争体験の記憶をある若者が老人から

受け継いでいくというもの。

舞台は南国の廃墟の村。

全体に幻想的な空気が流れ、よく考えられた展開、

謎めいているのでいつのまにか引き込まれ、

あっという間に読み終えていた。

無駄な描写は一切ないが、登場人物も自然も的確に丁寧に描写され、

イメージがどんどん湧いてくる。南国の湿っぽさが伝わってくる。
 

面白かった。

多くの方の話や資料を紐解いて生まれた物語というから、

老人が語った戦地での体験はおそらく事実だろう。

 

決して戦争体験を口にしなかった老人たちも、風化を恐れ、、

ようやく語りつつあるというニュースを時折耳にする。

さて、どうやって伝えるか、文学にそれが可能か…

この本を読んで自分なりに、そんなことも考えたり。

 

作者は20代の女性というから驚き。

今後が楽しみだなぁ。