本、映画、ひと、猫、緑々農園、備忘録。。。
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『ヨレヨレ』と『へろへろ』

隙間風だらけで寒さ厳しいわが家。
本を読める唯一の場所、お風呂で『へろへろ』(鹿子裕文著)読了。

鹿子さんがひとりで作っているという、福岡の「宅老所よりあい」の
面白い雑誌『ヨレヨレ』もこの本も、ほんとに面白かった。

「よりあい」、という介護の世界では稀有な存在や
その中心人物である下村恵美子さんや村瀬孝生さんたちがあって
生まれたこの本だけれど、鹿子さんの素直で飾らない、
ふざけているようで大真面目、とても巧みな文章が
さらにそのおかしみや人のあたたかさを際立たせ…
いやもう、なんと言ったらいいのか、笑ったり、ほろっとしたり、
凄いなーこの人たち、鹿子さんて文章上手いなー、と。
きちんと伝えたいことを自分の言葉で伝える、
という姿勢が貫かれていてとても気持ちよい。


介護する人でも、される人の立場でもないひとりの、
そう、たったひとりの人間が、なぜ介護や老いのことを書くまでに至ったか…
鹿子さん自身が、一番不思議に思っているんじゃないかな。
人は人との関わりで、何事か為す生き物なんだなぁ、
と思わざるをえない。

「長いあとがき」に深く共感。以下抜粋。


…因果はめぐる。他人にしたことは、必ず自分にも返ってくる。
老いた人間やぼけた人間を邪魔者扱いする社会は、いつか自分も
邪魔者扱いされることになる社会だ。人が人を薬漬けにして、
おとなしくさせようとするのなら、その人もいつか薬漬けに
されていくことだろう。何はともあれ、人が人をダメにして、
人が人を追い出していくシステムの中で、ビクつきながら
暮らすのは、あまり楽しくないはずだ。




まさに自分も今、父の介護真っ只中。
不可思議な介護の現実に直面し、いったいどこに向かって
いくのやら、と思う日々。
この言葉を忘れないでいよう。