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『戦中派不戦日記』を読む

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読みたかった本。

 

『戦中派不戦日記』(山田風太郎著)

昭和20年の一年間を丹念に綴った日記。

市井の人々のありあさまがありありと描かれ、

あの日に近づくにつれて、ハラハラドキドキ。

日記文学と称されるだけあって、ただの日記ではない。

史料としても価値あるもの。

引き続き『虫けら日記』『闇市日記』『復興日記』…

読みたいもの。

10代後半からしばらくは、山田風太郎の忍法帖シリーズに夢中だった。

半村良も良く読んだなぁ。

 

並行して読んでいた『今夜すべてのバーで』(中島らも著)は、

作者自身のアルコール依存との壮絶な体験に基づいた小説。

上手いなぁ、面白く読む。

依存症は酒やドラッグだけではない。

ギャンブル、買い物、セックス…

なんにしても依存症は、人ごとではない。

巻末に中島らも×山田風太郎の対談付き。

いいタイミング。

読むと書く、話す

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読むことをあきらめていたこの秋。

ようやく時間が戻ってきた。

 

ちょっと大げさかもしれないが、

自分にとって文字は、もはや血や肉と同じ。

文字を入れなければ生きた心地がしない。

 

空いた時間があれば、読む。

読みたい本が山積み。

読みたい本があることの幸せをかみしめる。

 

 

先日、若松英輔さんの講演があるというので、

早じまいして箱崎のブックスキューブリックまで聞きに行った。

最新刊『言葉の羅針盤』発行記念ということだったが、

とくに本の中味に触れるというわけでなく、

主に「読むと書く」についての講話。

  

若松さん、作品もいいが語り口も好き。

腑に落ちることがたくさん。

穏やかで冷静ではあるが、情熱的。

おのずと引きこまれる。

「読むとは自分の言葉を探す旅のようなもの」という。

読むこと、書くこと、そして話すことはつながっている、と思う。

秋だ、読書だ


仕事関連の本を読むことに追われた8月。
ようやく解放さる…


積ん読だった本たちに着手。

あれ、男性ばかり。

『出発は遂に訪れず』(島尾敏雄著)読んだら、
『狂う人』(梯久美子著)読みたい。
『アイヌの碑』(茅野茂著)

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アイヌの末裔のひとり、茅野茂氏の自伝『アイヌの碑』。

 

『静かな大地』以来、アイヌについての興味が尽きない。

和人(大陸を渡ってきた開拓者たち)が、

少数民族・アイヌに対して行った酷いしうち。

土地だけでなく、言葉も、尊厳も奪われたアイヌたちの声、その後の人生。

自身の生い立ちや悲しい思い出、

忘れてしまいたいような体験、

恥とも思えるような失敗を

涙ながらに綴ったという。

遺してくれてありがとう。

 

アイヌの歴史から何を学ぶか。

自然や生き物への畏敬の念が込められた

ウエペケレ(民話)やアイヌたちの豊かな文化や

風習に、今を生きるヒントになるものがあるような

気がしてならない。

 

 

 

『静かな大地』(池澤夏樹著)


小川洋子さんがブックガイド役のFM番組を毎日曜日、
愛聴している。
そこで紹介されていた『静かな大地』(池澤夏樹著)。
読み始めたら、止まらず。

江戸末期から大正期にかけて、蝦夷地での
先住民であるアイヌの人たちと本土から移り住んだ
和人たちの歴史入門として面白く読む。
主人公三郎は、池澤夏樹氏の母方の祖父の
兄(原條新次郎氏)がモデルという。
事実と創作が見事に調和。
自然、祈り、民話…
独特の文化を持つアイヌの民から、
名を奪い、土地を奪い、
大切にしてきたものをことごとく破壊し、
近代日本はここまできた。
アイヌ民族の悲しい歴史を背景に発展していった。
破壊はまだ続いている気がしてならない。
いったいどこへ向かうのか。


この小説の最後を飾る池澤氏の創作民話『熊になった少年』。
人類に向けた大きなメッセージが込められている。
絵本にもなっているのでさっそく入手。 作者も是非声に出して読んで欲しいと。
粛々とした気持ちで朗読。
熱いものが込み上げる。


『楽園』(夜釣十六著)

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知人に薦められて、久しぶりに小説を読むことに。

32回太宰治賞の受賞作だという。

 

筑摩書房と三鷹市が共同主催する太宰治賞は、かつては吉村昭氏、

宮尾登美子氏、宮本輝氏を輩出したという小説の新人賞。

期待高まる。

 

『楽園』(夜釣十六著)。

消えゆく戦争体験の記憶をある若者が老人から

受け継いでいくというもの。

舞台は南国の廃墟の村。

全体に幻想的な空気が流れ、よく考えられた展開、

謎めいているのでいつのまにか引き込まれ、

あっという間に読み終えていた。

無駄な描写は一切ないが、登場人物も自然も的確に丁寧に描写され、

イメージがどんどん湧いてくる。南国の湿っぽさが伝わってくる。
 

面白かった。

多くの方の話や資料を紐解いて生まれた物語というから、

老人が語った戦地での体験はおそらく事実だろう。

 

決して戦争体験を口にしなかった老人たちも、風化を恐れ、、

ようやく語りつつあるというニュースを時折耳にする。

さて、どうやって伝えるか、文学にそれが可能か…

この本を読んで自分なりに、そんなことも考えたり。

 

作者は20代の女性というから驚き。

今後が楽しみだなぁ。

 

いがらしみきお作品

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T瀬さんから、これ面白いよと薦められた漫画家の

いがらしみきお作品をたて続けに読む。

 

『誰でもないところからの眺め』

『I【アイ】』1〜3巻(いがらしみきお作)

 

超ヘビー。混沌。混濁。

作者と同年代ということもあるのか、

考えていることが似ていて深みにはまる。

 

久々の漫画。こういうのは好き。

 

4月から最近までに読んだ本はこんな感じ。

 

『チェルノブイリの祈り』(スヴェトラーナ・アレクシエービッチ著)※再読

『ボラード病』(吉村萬壱著)※再読

『虚ろまんてぃっく』( 〃 著)

『生きる』(奥田愛基著)

『朽ちていった命 被ばく治療83日間の記録』(NHK東海村臨界事故)取材班)

『知の仕事術』(池澤夏樹著)

 ↑これには、「保育園落ちた日本死ね!!!」の全文掲載あり。

  池澤氏のいう通り、名文。

  ここだけでも(?)必読の価値あり。

 

ほかにもフェアトレードに関する本などを読み漁る日々。

いつになく、ノンフィクション多い。

 

 

そろそろ小説が読みたいなぁ。

物語の魅力に触れたい。

あちらの世界に連れていってほしい。

読書のじかん

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毎月一度、クロスFMグリーンライフ講座で

「読書のじかん」という読書会を担当してから

はや9か月。

 

そんなこともあり、

なぜ、読書会?
読書って個人的なモノでしょ、何がおもしろいの?
流行ってんの?
って最近よく聞かれる。

 

私にもわからない 笑

読んだ本のことを人と語り合うのも自由、
語らないのも自由と思うし。

基本的にだれかと一緒に語ることが好きなだけ、
としか言えず。

 

ただ、話していると、いろんな考え方に触れることもできるし、
うんちくはためになるし、情報交換できたりするし、
せっかく読んだんだから、もっと深く掘り下げて
とことん楽しみたい、なんて、そんな気持ちかな。

好きな本のことをけなされたりすると
気分悪かったりもするけど、
たかが本、されど本、まあそう気にすることもないか、と。

 

読みたいから読んでいるだけ。
おそらく歌いたい人は歌い、
描きたい人は描く、
踊りたい人は踊る、
それと同じかなと。

 

本は自分を別世界に連れて行ってくれる。
知らないことを教えてくれる、
自分には欠かせない存在。

救われることも多々あったし、
この世に本があってほんとによかった。

 

読書会の進め方については、昨年秋の朝日新聞文化欄に
掲載されていた読書会のススメについての記事の中での
ある方の発言を参考にしている。
以下に抜粋。

 

  大切にしているのは「作品に敬意を払うこと」。
  作家をこきおろしたり、上から目線で批評したり

  しない。「ついつい本の審査会のようになりがち。
  できるだけいいところを見つけるようにしている。
  批判2に対して、褒めるのが8、の割合を大切に

  しています。」

 


語るのも大事だけど、耳を傾けるのも大事。

これがなかなかできないんだよねー

『キャスターという仕事』(国谷裕子著)

この人でなければならない仕事、というものがあるものだなぁ。

 

まさか降板なんて考えたこともなかった番組、

国谷さんがキャスターを務め、23年間続いた

「クローズアップ現代」が、終了してほぼ一年。

 

自分は、決して熱心な視聴者ではなかったけれど、

この時間帯にTVを見ることがあれば、必ずチャンネルを合わせていた。

 

この番組を見ることで、自分と社会がつながっているような、

そんな安堵感もあり、見ずにいられなかった。

毎日開く、新聞のようでもあった。

 

国谷さんがいうところのキャスターの役割の一つ、

「視聴者と取材者の橋渡し役」として、

まさに自分の日常にも国谷さんがしっかりと存在していたことに、

終わってから気づかされた。

 

視聴者と同じ目線でいることを重視して

毎回毎回、自分の言葉で話し、伝え、納得のいかないことは

とことん追求する…

物事をあらゆる局面から考え抜いて、橋渡し役に撤し、全うされた方。

うすうす感じてはいたが、その日々の努力は並大抵では

なかったことが、この本で明らかに。

 

読後、懐かしさからYoutubeで国谷さんの「クローズアップ現代」や、

記者クラブ賞の受賞講演を見返してみた。

あいまいな言葉は一切使わない、はっきりしたものの言い方が

なんとも爽快。

 

有能で強靭な精神力を持つ人物、といった面だけではない、

混迷する社会を共に生きるやさしさを併せ持つ、そんな人物のような気が。

魅力的な国谷裕子さんにただ今、かぶれ中なり。

 

 

川柳に初挑戦!

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フェアトレード川柳に初チャレンジすることもあり、

M亭さんにいただいた「イナカ川柳」(TV Bros.編集部編)で

密かに研究中。

 

どれも面白い、笑える!

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でも・・・

 

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「何もかも 巨大なイオンが 包み込む」

「ラブホテル 潰れた後に ケアハウス」

 

今やイナカは崖っぷち。

これ、通しで読むとイナカの現実、現代のニッポンの

姿が見えてきて、ちょっと哀しくもなる。

この本の「はじめに」を読むとますます。

TV情報誌の読者投稿によるこの本、

M亭さんによると、ラジオで高橋源一郎さんが

おすすめしていたらしい。

 

社会風刺が多い川柳。

初チャレンジのお題は、「フェアトレード」。

どうなることやら?!