<< August 2016 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
『忘れられた巨人』(カズオ・イシグロ著 土屋政雄訳)


久しぶりのカズオ・イシグロ。

 

6世紀ごろの英国、アーサー王伝説を下敷きにしているという。

何の予備知識もなく読んだが、支障なく十分に楽しめた。

知っていればもっと楽しめたのかもしれない。

 

記憶と忘却、繰り返される争い、慈しみと愛…

普遍的なテーマのもと、

あれはいったいどういう意味だったのか…

ちりばめられた暗喩や謎にまんまとはまり、

知らず知らず物語に引き込まれていく。

いつものごとく、解釈は読み手にまかされる。

そんなワクワクとは反対に、

読後はいつものごとく、切ない気持ちにさせられる。

 

仕掛けられた罠にはまりたくてイシグロを読むのかもしれない。

 

 

読む日々。

一日の終わり、スマホのバッテリー残が50%以上になってきた。

どことなく調子よい。

 

 

語り継がねばならないこと

古本アクスで真っ赤なカバーに惹かれ手にした本。

『言いたいことがありすぎて』(丸木俊著 筑摩書房)。

 

ひろしま・長崎・アウシュビッツ・南京・水俣・沖縄を

夫・丸木位里(1901-1995年)さんとの共同製作で描いた

俊(1912-2000年)さん。

日の丸・原発・放射能・環境汚染・・・

今を生きる人たちへの渾身のメッセージが語られている。

 

  (以下、抜粋)

  恐ろしいのは狢舅尊沖瓩任后

  天皇を中心にした「日の丸・君が代」の教育は、差別と重なって恐ろしい

  結果を生むということを知りました。こういう心がわたしたちの胸の中

  にもひそんでいるのでしょうか。

  

  戦争というものを簡単に考えてはいけないのです。

  沖縄の人を日本軍が殺す、沖縄住民の食べ物を奪う、沖縄で起こったよう

  なことが、戦争の名のものとで実際になされています。日本が負けた、

  アメリカが勝った、といったそういうことではない、そのなかで起こった、

  もっと細かい、いや、もっと大切な、いや一番大事なことがかくされて

  きていたのです。そのことを知り、深く掘りさげて考えていかなければ

  なりません。

 


昭和30年代の女性たちの新聞投稿欄「紅皿」集

『戦争とおはぎとグリンピース』(西日本新聞社)。

 

女たちの戦争体験、家族や愛する人を思う気持ちが素直に綴られ、

静かに胸を打つ。

平穏な日常を奪った戦争。戦争は戦場にだけあるのではない。

 

 

以下、平成28年長崎平和宣言より

  …

  若い世代の皆さん、あなたたちが当たり前と感じる日常、例えば、

 お母さんの優しい手、お父さんの温かいまなざし、友だちとの会話、

 好きな人の笑顔…。そのすべてを奪い去ってしまうのが戦争です。

  戦争体験、被爆者の体験に、ぜひ一度耳を傾けてみてください。

 つらい経験を語ることは苦しいことです。それでも語ってくれるのは、

 未来の人たちを守りたいからだということを知ってください。

 

 

戦争体験のない自分だが、先人たちの言葉から

語り継がねばならないことの多さ、重大さは伝わってくる。

怖いから、つらいからと目を伏せ、耳を塞ぎ、

心を閉ざしてしまってはいけない。

 

戦争に正義はない。

正義のために戦争を強いられるのは、まっぴらゴメンである。

 

映画「サウルの息子」


「サウルの息子」「あの日の声を探して」

昭和館2で8/19まで上映中。

「サウルの息子」(2015年/ハンガリー)はアウシュビッツ、

「あの日の声を探して」(2014年/フランス)はチェチェン紛争

そして、京都に日帰り出張の折、京都シネマで観た

「スリーピングボイス 沈黙の叫び」(2011年/スペイン)は、

スペイン内戦後のフランコ政権下が舞台。

2度とあってはならない時代の話。

暴力、拷問と殺戮シーンの連続で気分が重くなるが、

いずれも観るべき映画。

「あの日の声を探して」で普通の若者コーリャが、

兵士となり民間人を銃殺するまでの過程は、

さもありそうな現実のようで怖かった。

人が悪魔になってしまうのが、戦争だ。

ドキュメンタリー映画「抗いの記」

昨日は店をちょっと早じまいして、ドキュメンタリー映画

「抗いの記 記録作家 林えいだい」東田シネマの先行上映会へ。

 

現在、田川市在住の林えいだいさん(1933年生)。

郷土本コーナーでもよくお見かけするお名前だ。

筑豊を拠点に、抑圧された民衆の声を拾い上げた著作は

50冊を超えるそう。

1960年代は戸畑に移り住み、北九州市の職員として働いていたこともあり、

公害の実態を訴えた記録映画「青空がほしい」の制作に大きくかかわった方だった。

 

 

朝鮮人強制連行、戦争、公害、差別…

国家権力に抗うことが困難だった時代、

歴史の闇に葬り去られた真実のいかに多いことか。

この映画でさらに知ることとなる。

 

かつて日本の経済を支えた筑豊炭鉱には、

多くの朝鮮人が強制連行され、福岡県だけでも17万人を超えたという。

あげく、差別と過酷な労働を強いられ無念の死を遂げた朝鮮人たち。

名を刻まれることもなく、ただ石ころだけが置かれた墓が

筑豊地域には無数に存在するという。

人が人をそこまで貶めてよいものだろうか。

国家権力とはなんだろうか。

 

活動の原点は、炭鉱から逃げてきた朝鮮人労働者を匿ったことにより

「国賊」として罪に問われ、拷問によって

非業の死を遂げた神主だった父にあるという。

 

「いいたくない、いわない。表面に出ない隠れた部分こそ、問題なのだ」

「歴史の教訓に学ばない民族は結局は自滅の道を歩むしかない」

えいだいさんのメッセージが静かに胸に迫る。

 

癌と闘病中の今も、指に万年筆をセロテープで貼り付けて執筆する姿、

力強く声を発する姿に、自分自身がこうも励まされようとは。。。

 

映画にさきがけて、『海峡の女たち 関門港沖仲仕の社会史』

(葦書房)『筑豊坑夫塚』を入手。

メッセージを汲み取るべく、読んでみようと思っている。

 

この映画は、来年1月から東京イメージフォーラムを皮切りに

全国公開されるようだ。

 

東田シネマ 

 



『風の道づれ』(山福康政著 裏山書房発行)にもえいだいさん登場。

人からなんち言われようと、やるだけやるとさわやかに笑う…とある。

 

 

 

山福朱実×末森樹

戸畑ー小倉ー箱崎と今週、一日置きに山福朱実さんと末森樹さんのライブ体験。

好きになってしまったら、暴走してしまう自分。
好きなんだから、しょうがない!


筑豊バジル

庭先農園の筑豊バジル。

手づくりの絶品バジルペースト!
クルミゴロゴロ。

パスタはもちろんだけど、
冷奴やご飯がおすすめ、と。
朱さん、ありがとう。
いただきます!
泥中の蓮

たまには、腹が立ってしょうがない時もあるさ。
山福印刷のこと


山福康政さん流にふらふらといきたいが…


「母の話、面白いのよ〜」

と山福朱実さんのひと声で、急きょ決まった

山福印刷ファミリーとのトークを控え、
所縁の方々にお話しを伺って回る今日この頃。

 

先般、古本や檸檬さんでの「自鳴鐘の折々展〜
サークル場としての古書店」では、画、デザイン、装丁、

文、出版と多方面で活躍した康政さんの仕事を見に行った。

檸檬さんのリサーチが行き届いた見応えのある展示だった。
 

 

知れば知るほど故山福康政さんの膨大な仕事、交友関係に圧倒される。
ファミリーひとりひとりも多才で魅力的。


そうこうしていると、後を継いだ康生さんが、
今夏、山福印刷を閉じると発表。


2016年7月10付毎日新聞文化欄

67年の歴史に幕。

印刷業界も大きく変わったこのご時世に

よく頑張られたと思う。

埋もれてはならないものがある。
まだ間に合う。

強く惹かれるのはなぜか。
単に康政さんの読者であり、ファミリーのファンであるだけだが、
自分なりに山福ファミリーの歴史を紐解ければ…
との気持ちでいる。

 

 

のどかな休日

JR日田彦山線と平成筑豊鉄道乗り継いで
柿下温泉へ

スピード出し過ぎた6月から脱却すべく、シフトダウン。

ガタゴト列車とてくてく歩き。
30度超える暑さだが、風が抜ける田舎は、
街の暑さとは全く違う。
何にしろ目に入る全てが優しい。

山歩きの後によく立ち寄っていた柿下温泉。
珍しいラドン温泉。ぬるめの露天にゆっくり入る。
蝉の声に包まれ、もみじの緑がすがすがしい。

昔あった食堂はなく、持ち込みOKの休憩所になっていた。
湯上がり後の昼ごはんは、途中降り立った田川伊田の
商店街で買ったコロッケと缶ビール。
寝転がって本読みながら、帰りの列車までの時間をすごす。



すっかり夏の碧空。
車窓からののどかな風景、
温泉でのおばちゃんたちのたわいもないおしゃべりに
安らいだ一日。


このペース、日ごろ、忘れないように(自戒)
疾風怒濤の6月

予想していたとはいえ、6月は半年分ぐらいのエネルギーを使った気が。

備忘録として覚えているだけでも書き上げると…

6/4 そらたまランチの日
6  臨時休業 ロバの本屋(長門)
7  定休日 イボリ「せかいにいちまいスカート展」 夜:chiqonと
8  エアコン設置工事  夜:Kさん歓送会(みのり)
11  牧野映像美術館&出版祝賀会@武蔵&打ち上げ ←片付けにも数日かかる
12  昼:梅干し講座 梅漬け編
        夜:はじまり一座IN門司港へ
13  フェアトレードシサムフェア終了
14  定休日 自鳴鐘の折々展(ナツメ書店)へ
        シサム商品チェック&返送作業
15 つつみ印刷店オープン WSロバの本屋いのまたさん「糸綴じノート作り」
       夜:オープン祝い(まんねん)
16 ピープルツリー2017春夏展示会(天神) WS「糸綴じノート作り」
19 牧野映像美術館IN日田リベルテ
25 つつみ舎WS「糸綴じノート作り」
       映画「トゥルー・コスト」上映会&トーク(西宗寺)
      夜:つつみ印刷店打ち上げ(緑々)

29 夜:自鳴鐘の折々展(古本や檸檬)へ


そして7/1 谷本仰ソロ・ダイアローグス、という日々。

この期間中、父が2度救急搬送された(事なきを得たが。。。)。

よくもまあ、こなした(や、こなせてない!)ものだ。


時間はあるのではなく、作るものだ、とはよく言ったもの。

作家さんやお客さま、普段お会いできない方、初めての方とも
たっぷり対話した怒涛の6月だった。


7月も全力投球のつもり。
でも、早めの夏休みもとりたいなぁ